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2011.12.01

ただ一燈を頼め

先日、開業当初からの親しいお客様から、大変ショックな一言を言われました。

 「中尾さんは変わってしまった。大きな会社とお付き合いするようになって、うちみたいな小さな会社を、昔みたいに見てくれなくなった。」

 まさに青天のへきれきでした。

 

 神に誓って、小規模の会社をないがしろにしていることはありません。 会社を設立したばかりの人、やっと本気で経営しようと決心した方など、不思議なことに、いろんな方々からの御紹介で、中尾さんとやれば、本気で経営に取り組めるのでは・・・希望に胸をふくらませ、集まってこられます。

 

しかし、古いお客様に、そのような印象を与えたことは紛れもない事実です。 当然、規模の大きな会社様とも、たくさんお付き合いさせていただくようになりましたが、共通していることは只一つ。

それぞれの志を持ち、何としても会社を良くしようと本気で取り組もうとしている方。 志があるかないか、規模の大小では決してありません。

 

 ただ、そう言われて、一つだけ思い当たる節がありました。 私自身、経営の厳しさを痛感したため、経営に向き合う姿勢について、以前より確実に厳しくなり、妥協を許さなくなりました。

 しかし、経営上、どんなに必死で努力しても、結果が出ない時は確実にあります。 そんな苦しい時、本当にお客様の心の痛みを理解していたか・・・答えはNOです。

 確実に私は傲慢でした。

 

 至誠を貫くには、強さと優しさの両面で、自分の力不足を痛感しました。

 "一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うことなかれ。ただ一燈を頼め"

 言志四録 、佐藤一斉先生の言葉が心に浮かびました。

 提灯を提げて暗い夜道を行く。暗くて先が見えなくとも、ただその一つの灯り(自分の信念)を信じろという意味です。

 Idoの目的は万人立志、現状、まったく先は見えませんが、自分の信念を信じて迷わず進むしかありません。

 お客様のためにという自己満足でなく、お客様の視点にたてるよう心がけたいと思います。

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