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2011年07月

2011.07.01

内からわきでるもの

 先月、国税庁の調査結果が発表されました。平成22年度の申告法人、261万社の72.8%が欠損法人だったそうです。欠損法人とは、赤字又は利益がゼロの会社をいいます。

   心から恐ろしいと思うのは、このような数字を耳にしても、さほど驚かなくなっている世情です。・・・真剣に考えてみれば、どれほど不可思議な状況かわかるはずです。4社に3社が赤字又は利益がゼロ

 

   ちなみに、過去の数字を参考までに調べてみました。昭和26年は、16.5%、昭和31年は、23.9%、昭和41年は、37.6%、昭和51年は、46.3%、昭和61年は、54.3%、

平成8年は、64.7%、平成13年は、68.3%、平成21年は、71.5%・・・過去最悪を更新し続けています。この結果を前にして、私たち税理士は大いに反省する必要しなければなりません。

 

   税理士の使命は、税理士法第1条に明記されているように、納税義務の適正な実現を図ること。税の専門家という名のもと、節税という金科玉条を振りかざし、多くの税理士が、欠損法人の量産に手を貸していたのではないでしょうか

   税理士がもっと、思想を深淵に持ち、社会にとって、より高次の全体最適を考えて使命を全うしていたなら、今のような世の中は少なくとも避けられたと思います。

 

  松下幸之助さんも仰っていたように、赤字は社会悪です。企業が利益を得られないのは、お客様からの支持や評価を得られていないということ赤字で漫然としていていいのか!私たちはもっと、真摯に訴えかけねばなりません。

 

   風呂屋の番台に座り続けているに等しい経営者に渇を入れることこそ、私たち職業会計人の仕事だと思います。社会で生き残る企業は、世の中のお役に立っているということ。


  まずは、自社の事業がどのようにすれば、社会のお役に立つのかを考え抜くことが大切だと思います。その第1歩が黒字決算。私たち税理士が自分のお客様が赤字であることを心から反省すること。

 

 

   国の制度に護られ、うつつをぬかしている職業会計人は、今こそ魂を持って、経営者と共に、切磋琢磨し、汗を流すべきではないでしょうか。そうすればきっと、世の中は少しでも良くなるはずです。微力であれ、私はその一添えになりたいと思います。

                            (ビジネス会計人クラブ研修会参照)

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