2024.12.11
年末が近づき、冬季賞与の支給準備を始める企業も多いかと思います。
所得税法上、1年以上の予定で海外勤務が決定した従業員(海外赴任者)は、いわゆる住所の推定規定により国外居住者に該当します。国外居住者となった海外赴任者に対して、日本の会社が給与や賞与等の支払をする場合、「国内源泉所得」に該当するものについては、源泉徴収(20.42%)が必要となります。
国内源泉所得とは、国内で行った勤務に対する給与や賞与のことをいいます。そのため、日本親会社が、年の途中で海外赴任して国外居住者となった従業員に対して、国内及び国外の双方にわたって行った勤務に対して支払う給与等については、給与等支給額の総額を国内勤務日数で期間按分して、国内源泉所得を求めます。
例えば、計算期間7月から12月(国内勤務日数110日)の賞与92万円を支払う場合、国内源泉所得は以下のように計算します。
920,000円×110日(国内勤務日数)/184日(賞与の計算期間)=550,000円
したがって、国内源泉所得55万円に対して源泉徴収(20.42%の11万2,310円)が必要となります。
なお、賞与ではなく毎月の給与のように、計算期間が1か月以下のものについては、事務簡素化の観点から、給与等(全額が国内勤務対応部分である場合を除く)の計算期間の内に海外勤務期間と日本勤務期間が含まれていても源泉徴収しなくてよいという取扱いが設けられています。
今回の内容は以上です。
グローバル化に伴い日本から海外に出て働く人も増えています。日本と外国では税制が違う点が多いので、複雑な対応が求められることがしばしばあります。税制で迷うことがあれば、ぜひ税理士法人I doまでご相談ください。