2024.10.23
インボイス制度が開始したことにより、消費税の仕入税額控除にはインボイスの保存が必要となりました。
しかし、場合によっては自社が負担するべき費用を第三者が一旦立替払いをし、後からその第三者に支払いをするということがあります。
そこで、主催者にインボイスではなく立替金精算書を発行してもらい受け取る方法があります。
ホテル等での懇親会等で、主催者が会場運営側にあらかじめ支払を済ませておいた場合は通常、会場運営側から交付されるインボイスには「主催者名」が記載されます。
「各会員名」は記載されないため、各会員は仕入税額控除の適用に当たり、原則、インボイスの写しと主催者の作成・交付する立替金精算書が必要となります。インボイスの写しが大量で交付困難な場合は、主催者がインボイスを保存し、各会員は主催者交付の立替金精算書の保存をもって、仕入税額控除を適用できます。
こうした立替金精算書には、「課税仕入れに係る支払対価の額」、「支払対価の額に係る適用税率」、「インボイスの登録番号」等を記載するのが一般的でしょう。
ただ、その記載事項が多ければ、直ちに仕入税額控除が可能なものかどうかの判別に時間を要するため、その記載ぶりを明確にしたいという考えがあるようです。
例えば、記載事項として、「課税仕入れに係る支払対価の額」、「支払対価の額に係る適用税率」は残しつつも、「インボイスの登録番号」に代わり、「本精算書をもって仕入税額控除を適用できます」等の一文を記載し、課税仕入れの相手方(会場運営側)がインボイス登録事業者であること(=仕入税額控除適用可能の旨)を示すのも方法の一つです。
立替金精算書の記載事項をもって、その立替金が仕入税額控除可能であることを明らかにする必要があるため、追加する一文は相手に誤解させない記載にすることが重要です。
今回の内容は以上です。
インボイス制度開始から1年が経過しましたが、いまだに特殊な場合の対応については浸透しきっていないように感じます。