2012.03.01
先日、お客様とお話していて驚いたことがありました。そのお客様は、特別養護老人ホームの設計のお仕事を多く手掛けられています。近頃では、生活保護者の方を多く入居させるほうが、入居率が安定するとのこと。リストラされたり、給料が減額されたりする可能性がなく、収入が途切れることがないからだそうです。お話を聞いて愕然としました。まさに世も末です。
また、有名大学を卒業する女子に聞いた、結婚相手に望む理想の職業ナンバーワンは、このところずっと公務員、そして2位が技術職だそうです。会社が傾いても、手に職があればつぶしがきくからとのこと。
私が卒業した約20年前とは全く様変わりです。右肩上がりが当たり前、高度成長時代の終身雇用が崩壊し、会社を全く信用しない世代が社会人となります。多くの若者が、夢、志とはかけ離れた思想を持っています。
では彼らにどのように希望をもってもらうのか。それは私たち大人が、人を信頼することを身をもって教えること。人間は誰しも無限の可能性を持っている。一人一人に固有の用があります。きっかけ一つで燃えるような情熱をもって、目的に向かって死ぬほど努力できるはず。せっかく生まれてきた命、それぞれの命を、持てる力の限り輝かせてほしい。会社はその命を輝かせる場、そんなステージでありたいと思います。
今私たち経営者がなすべき最も重要なことは、世代から世代へ良心をつなぎ、若者と共に、希望と勇気を育むこと。良心のリレーを空念仏で終わらせず、必ずや、この無明の世界から、光り輝く世界へ羽ばたきたいと思います。