寛恕
2018年3月1日
私の周りには、「良いこと」を我が身を削って行う方が後を絶ちません。その「良いこと」は、間違いなく、美しい心と素晴らしい志です。そう聞くと、完璧なる美徳の様に聞こえますが、「論語とそろばん」、バランスを欠いた経営者の行いは様々な障壁を生みます。その方たちは、「道徳なき経済は悪、経済なき道徳は寝言」という言葉を知ってはいますが、耳元の囁きに過ぎません。「良いこと」とされる、その行いの舞台の主人公でいるときは、気持ち良く酔いしれ、真っ直ぐ前を向き、迷いなく全力で力を注ぎます。しかしながら、そこに経済が回る仕組みは全く存在せず、いつしか様々な支払いが遅れ、借入返済もままならず、利益がないので法人税の支払いはなく・・・消費税や源泉所得税などの税金の支払いも遅れ遅れに・・・中にはそんな方も出てきています。良いこととお金儲けは相反するものなのか?古典的な問いが頭をもたげます。そもそも人に迷惑をかけて良心を語ることは、著しくバランスを欠き、天に通じていません。自分の身を正し勘定を合わすことは、人として生活するうえで、まずは基盤となる根本姿勢だと私は思います。お金はバランスを欠いたところには決して流れてきません。
先日、長年のジレンマを解決するヒントとなる話を聞きました。それはベトナムでトレーニングレストランを経営している日本人の方のお話でした。ベトナム戦争後、ストリートチルドレンと呼ばれる子供たちが数万人いるといわれています。そのストリートチルドレンを採用、一流のサービスができるよう、トレーニングするレストランです。そのレストランは味もサービスも一流、高級感ある店構え。そこに、「ストリートチルドレンをトレーニングしている」という言い訳や、上から目線の良心は一切存在しません。通常のレストランとして高収益を上げています。もともとお金持ちだった人が始めたのでなく、青年海外協力隊で訪れた青年がゼロからスタートして16年目とのこと。大切にしていることは?との問いに、その方の口から出た言葉がとても印象的でした。「寛恕、どうしても恕(ゆる)せない先に、恕すは存在する。」寛恕は形式的な謝罪を促す言葉としてではなく、自らの積極的な恕し(ゆるし)、神仏の如き心、その言葉に秘められた、その方の深淵なる境地を想像せずにいられませんでした。
今、私の周りで頑張っているその方たちも、その境地への階段を昇っている過渡期、たくさんの恕せないこと、たくさんの愛に直面しながら、寛恕への道を歩んでいるに違いありません。今私が一番肝に命じないといけないことは、その方たちの姿勢がなってないと揆つことではなく、妥協策に懐柔することでもなく、寛恕の境地で導くことだと感じました。たやすいことではない、深淵なる道だからこそ、その方たちと共に、その境地にたどり着きたいと思います。
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