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親思う心に勝る親心

2017年2月1日

年が明けてあっという間の一か月、今、私の心を占めるものは、仕事もさることながら、私の両親の暮らしにあります。幼き頃から畏敬の念を抱き続けた父、気丈で天真爛漫だった母は、数年前から別人です。残念ながら、時間と共にその差は開く一方です。周囲を見渡しても、多くの方々が、大なり小なり、介護の問題を抱えておられます。

 

男性には、仕事優先という大義名分がありますが、女性は良い意味で、公私の区分など、もともと脳にありません。生活すべて仕事、家庭の困りごとを解決するのも、お客様やスタッフの困りごとを解決するのも同じです。親に感謝する、そんな当たり前の次元を超越した、祈りのような感覚です。

 

何かをしてもらったから、尊敬できる人だから、優しい人だから、多くの人は、人から何らかの恩恵を被った場合に感謝しますが、それは感謝という幸せの門をくぐっただけ。与えて頂いたことを当たり前に思わず、感謝するだけましですが、どこか、“してもらったから感謝する”という受け身の匂いがします。

 

もう少しその道を進むと、「わが身は父母の遺体」という言葉を思い出します。無量の因縁の重なり合った結果、平和な日本に生まれてきたことを、親だけでなく祖先への感謝へと、思いが馳せます。口を開いては仕事仕事と言う、出来損ないの女性である私に、徳を積ませてくれるために、父も母も今までとは別の姿で面倒をかけてくれている、それを面倒と捉えず、お世話をさせて頂けることが心から有難い、そう感謝できるような人間に成長したい・・・これが嘘偽りのない、今、私の心を占める問題意識です。

 

「親思ふ心に勝る親心けふのおとづれ何と聞くらん」29歳という若さで獄死した吉田松陰の言葉にあるよう、諸縁の始原である親の深い愛を受けていることを、どんな状況にあれ平常心で感じ取り、その愛に満たされていたいと強く思います。

 

最後に、ある本で読んだ「方丈記」のエピソードがふんわりと私の心に留まっています。「別れ難い妻や夫をもつ者は、その愛情がまさったり、深かったりする者が、必ず先立って死ぬ。そのゆえは自分の身はあとにして、妻や夫を心配するあまり、やっと手に入った食べ物でさえ、その人にあげてしまうから。親子であればなおのこと・・・」時代背景は違えど、理性では計りかねる命のリレーを脈々と行っている私たちが、決して忘れてはならない大切なものを、私は両親から伝授されている・・・そんな気がしてなりません。心して精進することを皆様に誓います。

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