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画竜点睛を欠く

2017年10月1日

 私事ですが、7月半ばから週に三回、父の看病のために実家に通っています。もちろん仕事をしながらですので、時間にすると、わずか2時間くらいですが、父も母も、私が来ることをとても楽しみに待っていてくれます。ケアマネさんはじめ、チーム魂磨きの方々は、あいかわらず、みんな信じられないくらい良い方です。私はずっと付き添っている母が精神的にまいらないよう、父の食事介助をしたり、母と一緒にご飯を作ったり、神経痛で買い物が辛い母の代わりに、母が困らないよう食材を考えながら買い出しに行ったり、ちょっとしたヘルパーさんの気分です。私は数年前までこの世界に無縁でしたが、お陰様でずいぶん詳しくなりました。病人が主人公の家は、ただでさえ暗くなりがちですので、少しでもプラスのエネルギーを注入し、母が明るくなるよう、毎回、慰問団の気持ちで訪問します。

 
 というと、さも前向きで聞こえがいいのですが、つべこべ言わずできることをやる!と威勢よくスタートしたものの、謎のストレスに悩まされていました。スケジュールの調整がうまくいかず、スケジュール帳に支配される日々。少しでもゆっくりすると、そんな暇があるなら親孝行か仕事すれば・・・と良心がとがめます。四六時中、こんなことしていていいのかという対象不明の焦りが錯綜し、そこはかとない罪悪感にずっとさいなまれていました。つまり、仕事をしている時は、親をおざなりにしている自分に、実家でお世話をしている時は、仕事をおざなりにしている自分に、どちらにしても自分の心中が定まっていない不安定な状況が続きました。

 そんな時、両親は正直です。体調を悪くしたり、モンスターになったり・・・いろんな形で私に心と理の不一致を格(ただ)すよう、事を通じて教えてくれます。責務から行っている不自由な娘から発せられるエネルギーは私心に曇っています。生きるということは、常に、なにがしかのしがらみの中で誠を尽くすこと。今の私はまるで、家と仕事を言い訳に、どちらも中途半端にしか行わないサラリーマンのようです。私が両親なら、娘に何を望むでしょうか?「世の中のお役に立つ人間になってほしい。」両親からずっとそう言われて育ちました。親孝行と仕事を天秤にかけるのではなく、私が世の中のお役に立つことも親孝行だと気づきました。


 画竜点睛を欠く、親孝行に肝心要のひとみをいれていませんでした。親の看病も仕事も、いのちと暮らしを豊かにすることに変わりありません。そしてそんな誠の姿をスタッフやお客様が見ています。今日から改めて、念々に旧套を打破する状況が出現すると覚悟し、私自身の本物の親孝行と本物の志事を行いたいと思います。  

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