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採用内定者に対して事前研修も兼ねた懇親旅行

2018年7月11日

大阪北区・税理士法人I doの沈です。

 

少子高齢化の影響により、ここ数年、新卒採用は超売り手市場が続いているため、新卒者に内定を出しても、内定の辞退を受ける企業も多いと思われます。

競争が激化する一方の新卒採用を円滑に進め、その囲い込みを図るために、採用内定者に対して事前研修も兼ねた懇親旅行を実施する企業が増えているようです。

 採用内定者に対する懇親旅行費用については、法人税法上の交際費等の具体的範囲や交際費等から除かれるものを確認しつつ、個別に判断をすることが必要となります。

 

1.法人税法上の交際費等の範囲

 法人税法上の交際費等とは、交際費・接待費などの費用で、会社が、その得意先や仕入先など「事業に関係のある者等」に対する接待、供応、慰安、贈答などの行為(以下「接待等」とします)のために支出する費用をいいます。

  今回の場合、懇親旅行の対象者は御社の採用内定者であることから、上記「事業に関係のある者等」に含まれるものと考えられます。したがって、採用内定者に対する接待等のために支出する費用は、原則的には交際費等に該当するものと考えられます。

 

2.交際費等から除かれる費用

(1)従業員の慰安のために要する費用

 交際費等のうち、「専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用」は交際費等から除かれるものとされています。

 このことから、採用内定者は広い意味で従業員に該当するので、採用内定者のために支出する懇親旅行費用は、福利厚生費に該当するのではないかと考える向きもあるようです。

 しかし、福利厚生費にはその会社に所属する従業員の労働力の確保とその向上を図るという性質があることから考えると、未だ何らの労働も提供していない採用内定者に関して会社が支払う費用は、福利厚生費には該当しないと考えるのが妥当です。

 したがって、採用内定者は上記の「従業員」には含まれず、採用内定者のための懇親旅行費用は、従業員の慰安費用には含まれないものと考えられます。

(2)5,000円以下の飲食費用

  交際費等のうち、飲食等のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用については、飲食等に参加した得意先等の氏名などを記載した書類等の保存等を要件とした上で、法人税法上の交際費等から除かれるものとされています。

 

  上記以外にも、旅行日程の大半が観光に費やされる場合や、夕食時等には酒類も提供される場合などを考慮すると、懇親旅行はいわゆる内定者のための事前研修というよりも、むしろ、全体として事業関係者である会社と採用定者相互の親睦の度を深め、採用内定者への接待等のために行われたと判断するのが相当です。

 以上より、懇親旅行費用は基本的には、法人税法上の交際費等に該当すると判断することが妥当であると考えられます。

 

 新卒採用のための採用活動費は、今後も増加傾向が続くと思われますので  その費用が法人税法上の交際費等に該当するかどうかは、個別具体的に判断することとなりますので、事前にその取扱いをご相談いただいた上で、採用活動を実行されることをおすすめいたします。

 

[根拠法令等]

 措法61の4、措令37の5、措通61の4(1)-21、61の4(1)-22など

 

この記事について、または顧問契約・その他のご相談は、大阪北区の税理士法人I doまでご連絡ください!

 

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